「書籍」ダニエルズのランニング・フォーミュラ第3版を購入・このトレーニング方法を採用することにしました

10月に「ダニエルズのランニング・フォーミュラ第3版」を購入しました。

このダニエルズ博士のランニング・フォーミュラは何年も前から気になってましたが購入には至らず。

理由は難しそうなのと2000円と高いという点です。

高いのはB5の大きさで239ページもあるので当然と言えば当然ですが。

ただ博士が考案した有名なVDOT指数は知っていたのでたまに参考にしていました。

何故、今回購入する気になったかと言えばAmazonでランニング本をなんとなく眺めていたら次の一文が目に飛び込んできたからです。

「全面改訂・増補最新版 マラソンプログラムを大幅充実! トレッドミルトレーニングや高所トレーニングを新たに追加。」

以前からトレッドミルトレーニングや高所トレーニングに関心があったので思わずポチッと注文してしまいました。


内容

全15章構成で種目別にトレーニング方法を解説しています。

第1章 成功の必須要素

第2章 トレーニングの原理とランニング技術

第3章 有酸素性作業能とトレーニングのプロフィール

第4章 トレーニングの種類と強度

第5章 VDOT

第6章 シーズントレーニング

第7章 体力向上のトレーニング

第8章 高所トレーニング

第9章 800mのトレーニング

第10章 1500mから2マイルまでのトレーニング

第11章 5kmから10kmまでのトレーニング

第12章 クロスカントリーのトレーニング

第13章 ハーフマラソンのトレーニング

第14章 マラソンのトレーニング

第15章 休養と補助的トレーニング

特徴

特徴的なのがダニエルズ博士が考案したVDOT指数です。

全てのトレーニング強度はこのVDOT指数を元にして決めます。

例えばフルマラソンを4時間で走れる人のVDOT指数は39.2でトレーニング強度(ペース)を次の5種類に分類します。

Eペース(イージーペースランニング)6:12~6:35

Mペース(マラソンペース)5:41

Tペース(閾値・LT) 5:11

Iペース(インターバル) 4:46

Rペース(レペティション) 4:31


このVDOT指数というのが優れもので走力に応じたトレーニングペースが一覧表から一発で分かるようになってます。

計算ツールもあります。

適切なトレーニングペースって初心者だと全然分からないと思うし中級者でも以外に分かってないことがありますよね!

この5種類のペースの解説をしておきます。

ダニエルズのランニング・フォーミュラではその人が1週間に走る(走れる)距離に応じて各トレーニング1回あたりの走行距離の上限を定めてます。

Eペース(イージーペースランニング)

一番重要な練習で通常のジョグやロング走がこれにあたります。

これを結構おろそかにしている人がいます。

自分もそうでした。

ポイント練習はやるけど単調なジョグをしっかりやらないことがよくありました。

最低30分以上で上限は150分間とします。

強度 VO2maxの59~74%、HRmaxの65~78%程度

目的・効果 怪我に対する耐性を作る、心筋を強化する、血液の酸素運搬能力を改善、筋線維をランニングに有利な性質に導く

Mペース(マラソンペース)

フルマラソンを走るときのペース。

もしフルマラソンを走った事がない初心者でも直近の10kmやハーフマラソンのタイムからも算出できます。
  
目的・効果 目的は実際のレースペースに慣れることや、そのペースで給水をとる練習をすることです。効果としてはメンタル的なもので設定したペースで走る自信を高める事ができます。

Tペース(閾値・LT)

閾値強度は快適なきつさです。インターバルペースより楽なペースになります。比較的速く走っているけどそこそこの時間(練習なら20,30分間)維持できるペース。

1回の練習で週間走行距離の10%を超えないようにする。

強度 VO2maxの86~88%、HRmaxの88~90%程度

目的・効果 血中の乳酸を除去し十分処理できる濃度に抑える能力を高める(持久力の向上)、一定ペースを維持できる時間をのばす。

例1 週間走行距離64kmまでのランナー Tペースで20分
例2 週間走行距離66~113kmのランナー Tペースで5~6分+休憩1分を6本

Iペース(インターバル)

Tペースよりさらに1段階あげたのがIペースです。

3~5分以内の疾走と疾走時間と同じか少し短い時間の回復を反復します。

1回の練習での上限は10kmか週間走行距離の8%の、どちらか短いほうにする。

強度 VO2maxかHRmaxかきわめて近い値に設定する。

目的・効果 有酸素能力(VO2max)の向上

例1 週間走行距離 48kmまでのランナー Iペースで800m+ジョグ2分を4、5本
例2 週間走行距離74~88kmのランナー Iペースで1km+ジョグ3分を5、6本

Rペース(レペティション)

スピードに磨きをかけるのに適したペースですが十分に身体を回復させフォームが崩れないように注意します。苦しくてもがき苦しみフォームが崩れるようなら休憩時間(距離)を多めに取る。

休息の時間はRランニングの2~3倍の時間にするかRランニングと同じ距離のジョグでつなぐ方法でも良い。

1回の練習で8kmか週間走行距離の5%のどちらか短い方にする。

強度 Iペースより更に強度は高くなります。

目的・効果 無酸素性作業能(AT)、スピード、ランニングの経済性を高める事が出来ます。

例1 週間走行距離48kmまでのランナー Rペースで200m+ジョグ200mを8本

例2 週間走行距離82~96kmのランナー Rペースで400m+ジョグ400mを10本

良かった点

初心者からエリートランナーまでを対象にしておりレベルに応じたトレーニングメニューを組むことができるので感に頼る必要がない。

残念な点

ウルトラマラソン(100kmなど)のトレーニングメニューがあったら良かったのに...ウルトラマラソン向けのランニング本って殆どないんですよね。

なぜ採用したのか

理由は2つです。

ひとつめは11月の扇状地マラソン10kmで自己ベストを1分以上更新できたことです。

第11章の5kmから10kmまでのトレーニング内容を参考に200m、400mのRペース(レペティション)、ウィンドスプリント(100mくらい)を何度も繰り返しやりつつ15km程度のEペース(イージーペースランニング)もしっかりやりました。

いままでは200mやウィンドスプリントなどの短い距離の疾走はやったことがなかったですし10kmオーバーのジョグもあまりやったことはありませんでしたがこれにより短期間でスピード持久力が向上したと思います。

ふたつめが、みやすのんきさんも採用してサブ3を達成したとこの本のあとに買った「走れ!マンガ家ひぃこらサブスリー 運動オンチで85kg 52歳フルマラソン挑戦記!」に書いてあったからです。

この本の内容については別の機会に紹介したいと思います。僕と同年代の、みやすのんきさんがダニエルズのランニング・フォーミュラを参考にしたトレーニングをこつこつと1年半続けて念願のサブスリーを達成したと知ったからです。

現在の練習メニュー

3月のフルマラソン(能登和倉万葉の里マラソン)に向けたトレーニングを実施してます。

ダニエルズのランニング・フォーミュラではフルマラソン向けのトレーニングプログラムは6種類紹介されています。そのなかの5週間サイクルプログラムを採用してます。これは重要なレースに向けて、5週間・1サイクルを必要なだけ繰り返すプログラムです。

1週間のメニューはだいたいこんな感じです。

1週間で80kmを目標にしてます。

月曜日 ジョグ+WS6本

火曜日 ジョグか休み

水曜日 スピード練習(レペティショントレーニング)

木曜日 スピード練習(閾値かインターバルトレーニング)

金曜日 ジョグ

土曜日 ジョグ+WS6本

日曜日 ロング走

※WS(ウインドスプリント)は10〜20秒の軽い、素早い動きの(または上り坂の)ランニングを繰り返す練習です。合間に毎回1分間の休憩を入れます。

まとめ

「楽して結果が出せるトレーニング方法」とか「これだけやれば速くなれる」などの記事をたまに見かけますがそんな魔法のようなトレーニング方法などないと思ってます。

マラソンのトレーニング方法は既に確立されているので一部分だけを取り入れてもだめだと思ってます。特にサブ3.5以上を目指すには。

3ヶ月位のスパンで計画的にスピード練習、ジョグ、ロング走を積み重ねていくのが記録更新を達成する一番の近道ではないでしょうか。

その具体的な方法をVDOT指数をもとにレベルに応じて説明してます。

ダニエルズのランニング・フォーミュラはこれこそ王道と呼べるトレーニング方法だと思います。

おすすめする人

・初心者でどんな練習をしたら良いか分からない人

・真剣に記録更新を考えている人

・サブ3.5、3.15、3を目指している人

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