「ショートレビュー」ガーミンフェニックス5サファイア Garmin Fenix5 Sapphire「400mトラックでのGPS精度確認編」

今日は400mトラックでの周回においてどの程度の精度で距離を計測できるのかテストしてみた。

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ガーミンフェニックス5サファイアで対応している衛星測位システムは次の3つ

GPS、GLONASS、QZSS(みちびき)

ガーミンの初期モデルのランニングウオッチではGPSにしか対応してなくて精度はイマイチだったのでフェニックス5でどの程度精度が向上しているか楽しみだった。

僕は400mトラックでインターバル走を良くやるけどラップタイムの測定にはいちいちラップボタンを押して計測してました。GPSセンサー内蔵なんだから指定した距離ごとに自動ラップ計測にすればいいのに!と言われそうだけど短い距離での周回ってやつはランニングウオッチが苦手としている計測のひとつ。

以前まで使っていたモデルはトラック1周ごとに5m〜10mづつずれてくるので10周もすると50m〜100mの誤差が出てとても使い物にならなかった。

もしフェニックス5の精度が実用レベルならば自動ラップでインターバル走が出来るようになるので結果が楽しみだった。

本題に入るまえに衛星測位システムについておさらいしておきます。

衛星測位システムとは

人工衛星を利用して現在位置、速度、姿勢、時刻などを知る事が出来る訳なんですがもう少し詳しく説明するとランニングウオッチ内蔵の衛星受信センサーが衛星の電波信号を受信。ランニングウオッチは信号がとどくまでにかかった時間に電波の速度を掛け算して、特定の衛星と受信機の距離を計算。3つの衛星から受信した情報で計算をすると位置が特定できますが計算には誤差が生じるため、正確な位置を知るためには4つの衛星からの情報が必要です。でも4つというのは最低ラインで連続で安定した高精度測位のためには8機以上の衛星が見えることが望ましいです。

フェニックス5で対応してる3つの衛星

GPS(Global Positioning System)

アメリカによって運用される衛星測位システム

GLONASS(Global Navigation Satellite System)グロナス

ロシアによって運用される衛星測位システム

QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)みちびき

日本によって運用される衛星測位システム

いざテスト

フェニックス5では衛星測位システムの設定は3つのモードから選べるようになってます。

GPS :GPSとみちびきの信号のみを受信

GPS+GLONASS:GPS、GLONASS、みちびきの信号を受信

ウルトラトラック:一定時間ごとに衛星からの受信をストップして消費電力を抑える

多くの衛星から信号を受信させると電池の減りが速いので精度を求めないのであればウルトラトラックモードかGPSモードにしておいた方がいいです。

今回は一番精度の高いGPS+GLONASSモードでテストしました。

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テスト時の上空の衛星の配置はこんな感じでした。

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水色がGPS、緑色がGLONASS、ピンク色がQZSS(みちびき)

フェニックス5では同時に何個の衛星を捕捉してるか分からないけど昔使ってたForerunner310XTでは捕捉中の衛星を画面で確認出来たので便利でした。僕の記憶が間違ってなければForerunner310XTでは同時に8個程度の衛星を捕捉してたと思います。多分。

今回のテストでは通常のランニングモードで400mトラックをキロ6分弱のペースで10周し1周ごとにラップボタンを押してラップごとの距離とトータルの距離を計測しました。

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1番コースで走り1周ごとにこのライン上でラップボタンを押しました。


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上空から見るとこんな感じになります。

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測定結果

8周目まではぴったり400mでしたが9周目が410m、10周目が390mでした。

実際には2m程度しかずれてなかったのでフェニックス5側の端数処理の誤差でしょうね。

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2017年11月17日追記

トラック10周目3.5m手前でガーミンフェニックス5は4kmを示していたので最終的な誤差は3.5mでした。

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スタート位置の3.5m手前

トラック1周につき35cmの誤差ですから驚きです。


ガーミンのサポート情報より引用

GPS精度について
現在のGPS受信機は、平行マルチチャンネルデザインにより非常に高精度です。
GPSの精度は特定の大気要因や他のエラー原因に影響されることがありますが、Garmin GPS受信機の15メートル(49フィート)以内の精度は95%に達します。
一般的に、5~10メートル(16~33フィート)以内の精度を期待できます。

Garmin公式サポート | 日本 | サポートセンター

準天頂衛星みちびき の受信について
2017年6月1日に2号機、2017年8月19日に3号機、が打ち上げられました。
今後、正式運用開始後には、1号機と同様に対応機種では「補完」信号*を受信する事が可能となります。

※2017年9月15日より、2号機(194)の試験電波が開始され受信できるようになりました。但し、試験電波の事もあり精度向上/安定は保証できるものではございません。

2017/10/06 追記
*2017年9月15日より、1号機(193)からCLAS(Centimeter Level Augmentation Service / センチメータ級測位補強サービス)の試験放送を開始されましたが、
一部の機種において極稀に測位機能に若干の影響が出る事が判明しました。
上空に遮蔽物が少ない環境下で衛星ロストや精度が極端に悪化するような事が発生した場合には、デバイスの再起動を実施してください。
当社では、本事項についてソフトウエアの早期改善に向けて取り組んでおります。ソフトウエアの公開までご不便をお掛け致しますが、ご理解の程お願い致します。ご迷惑をお掛け致しまして大変申し訳ございません。

該当機種 : Edge1000J、GSMAP64SCJ、GPSMAP64SJ、Oregon750TJ、Oregon650TCJ2、Oregon650TCJ、eTrexTouch25J、eTrexTouch35J

Garmin公式サポート | 日本 | サポートセンター


現在のソフトのバージョンは6.00です。

購入してから2回バージョンアップを重ねて機能追加や不具合の修正がなされてます。

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まとめ

思った以上に精度が良かったのでこれからインターバルトレーニングをやるときは事前にインターバル登録しておけば自動計測で楽々とトレーニングが出来ます!

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2017年11月17日追記

みちびきの本格運用が始まると誤差もセンチ単位にまで向上するので今から楽しみです。

それと近いうちにインターバルでの自動計測での誤差はどの程度なのか検証したいと思ってます。