「ショートレビュー」ガーミンフェニックス5サファイア Garmin Fenix5 Sapphire「高度計の精度を検証」
今回はガーミンフェニックス5サファイア Garmin Fenix5 Sapphireの高度計で測定した高度と実際の標高とどれくらい差があるか検証してみました。
僕はバーティカルキロメータのトレーニングや登山で山に登る事が多いのでGPSセンサー内蔵のランニングウォッチの高度計を良く利用してました。
でもランニングウォッチが測定した高度と実際の標高の差が条件にもよりますがひどい時は数十メートルくらいあったりして目安程度にしかならなかったんですね。
以前まで使っていたガーミンのランニングウォッチはGPSなどの衛星だけを利用して高度を測定する方式でした。
現在使用してるフェニックス5はA:高度計(Altimeter)、B:気圧計(Barometer)、C:コンパス(Compass)を搭載したABCウォッチです。
更にGPSセンサーも当然内蔵してます。
GPS測定と気圧高度センサー測定の違い
GPSによる高度測定
GPSで測定できる高度は標高とは異なります。標高は海面からの高さですが、GPS高度は標高ではなく、世界測地系で使用している楕円体表面からの高さとなります。
なぜ、標高にならないかというと、地球の中心から海面までの距離が場所によって異なるからです。測地学では海水面をジオイドとよび、地球の形として定義しています。楕円体表面からジオイドまでの高さの幅は最大で150mもあります。日本でのジオイドの高さは30~40mですので、GPS高度は標高+30m~40mとなります。
高度の誤差は平均して70mぐらいあります。位置誤差は15mくらいですから、5倍ぐらい誤差が大きいのです。
GPSは水平方向の測位精度に比べ、垂直方向の測位精度は非常に劣ります。
気圧高度センサーによる高度測定
気圧高度センサーを使って高度を測定するには測定地点の気圧を元に平均海水面の気圧と比較し計算した結果で求めます。
国際民間航空機関(ICAO)が定めたICAO標準大気では、(平均海水面での気圧が1013.25hPa、気温が15゜Cでの条件で)と定められてます。
高さを表すものに標高、海抜、高度とありますがそれぞれの違いを簡単におさらいしておきます。
ウィキペディアによると
『標高』・・・東京湾の平均海面を基準とする高さ
日本では、本土から遠く離れた離島における標高を除いて、東京湾の平均海面である「東京湾平均海面 (T.P.)」 を標高の基準としている。実際の測量の基準点としては、かつて参謀本部の陸地測量部が存在していた敷地内である国会前庭に設置された日本水準原点を用いている。
『海抜』・・・近海の平均海面を基準とする高さ
一般的には「標高」と同じように用いられているが、東京湾ではなく近くの港湾などの平均海面を基準としている。
『高度』・・・空中にある測定点の高さ
空中にある測定点の高さをいう場合は、「高度」(Altitude)の用語を用いることが多い。このため航空機が飛行する高さについても「高度」を用いる。通常は、その地点の海面からの高さ、すなわち「海抜」で表示する。海面からではなく、地表面から測った高度を、「対地高度」(たいちこうど)という。
測定結果
南保富士
11月5日に地元の低山に登った時に測定しました。
標高727.1mに対して高度721mなので実際の標高との誤差は6.1mでした。
以前使っていたGPS式の「ForeAthlete 225J」で測定した時は695mでした。
ガーミンフェニックス5はGPS高度と気圧高度の両方のデーターを複合的に利用して高度を計算しているのか気圧だけで計算しているのか分かりませんが実際の標高に近いということが分かりました。
あべのハルカス
先日、ハルカススカイランに参加してきました。
この大会はあべのハルカスの非常階段を1階から60階まで一気に駆け上るという大会です。その時のデーターも参考までに見てみたいと思います。
60階の天上回廊は吹き抜けとはいえ非常階段は室内なので室外と気圧が異なる可能性もあるのであくまで参考程度という事で!
この時は室内トラックモードで上りました。
このモードにしておくとGPSセンサーはオフになります。
あべのハルカスの天井回廊がある60階は確か地上から300mの高さだったと思います。
まとめ
気圧は大気の状態などによって変動があるので測定結果は同じ場所でも常に同じにはならないでしょう。
やっぱり正確に高度を知りたい場合は気圧高度センサー付きのモデルにした方がいいですね!